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MARKET UPDATE

Theresa May Loses Overall Majority in Election.
メイ首相、単独過半数の議席を失う

イギリス

2017.06.15

過半数の議席がとれずハングパーラメントに

6月8日に行われた英国の総選挙は予想外の結果となりました。テレサ・メイ首相が率いる与党、保守党が過半数の議席を失いました。

解散総選挙が発表された4月時点の世論調査では保守党の圧勝が予想されていたにもかかわらず、獲得議席は過半数を割り込み、英下院650議席のうちの過半数の議席を単独で獲得できていない状態、いわゆる「ハングパーラメント」となることが確定しました。

先月のマーケットアップデート「英国はイマ選挙が必要だ」でも紹介をしたように、今回の総選挙に勝利する事で追い風にのって強硬離脱(ハードブレグジット)を推し進める予定だったメイ首相でしたが、シナリオ通りにはいきませんでした。


強い英国を目指すはずだったが、時間を失う結果に

メイ首相がEU離脱をハードに進めるには、大多数の議席を獲得して圧勝する必要がありましたが、離脱交渉の大事な時期にメイ首相は自らの政策で英国の先行きをより不透明にしてしまったという声があがっています。総選挙によって大切な時間が奪われてしまいました。少数政党との連立の道を模索するのに時間がかかれば、さらに時間を浪費してしまうでしょう。


国民に不評だったマニフェストと首相の態度

メイ首相は高齢者の介護費用の自己負担額を引き上げることをマニフェスト内で掲げましたが、野党などから「認知症税」などと批判を浴び、野党の躍進の手助けをする結果となりました。メイ首相が推し進めるEU離脱を支持していたのは主に高齢者層だったために、自らの公約で支持者の離反を招いてしまったと言われています。

その後、慌てて公約を修正しましたが、政策に一貫性が無いという批判を受けました。また、頻発したテロ事件は総選挙前の強い逆風となりました。


為替の値動きと英国の先行き

英国ポンドは総選挙後に不安定な動きを示し、対円で139円台半ばまで下落しました。対ドルでは1.26ドル台前半まで売られ、いずれも1ヶ月半ぶりの安値まで下落しました。

一方、ポンドの下落は海外の投資家にとって英国への投資のチャンスと考えることもできます。ある専門家は、最初は不透明感の高まりからポンドは下落するが、その後はソフトブレグジットへの期待と、政府支出の増加でポンドは上昇する可能性があると述べています。「今回の混乱を招いたのは私だ」と自らの責任を認めたメイ首相が、今後どう新政権の樹立をしていくのか、世界が注目をしています。

記事提供:三宅美子(Yoshiko Miyake)