シンガポールで来月7日に総選挙が行われるのはご存知でしょうか?
日本でも先般統一地方選挙が行われ、与党が惨敗していましたが、このシンガポールでも今回は、1972年以来の与野党激突というマスコミでの取り上げ方は、かなり白熱しています。
そもそもシンガポールでは、建国の父と言われるリークワンユー氏が創設した人民行動党PAP(Peaple Action Party)が圧倒的な多数で政権を握り続け、ほぼ一党独裁というのが正しい認識です。そういう意味では中国の共産党と違わないわけで、明るい北朝鮮と言われるほど、政治は完全に一党独裁体制です。
ただし、中国と違うのは、一応立派な選挙制度ができており、住民が投票により議員を選出することが保証されている民主国家であることです。
よくシンガポールは、世界一の運用実績をもつファンドマネージャー国家とか世界一経営に優れた国家などと言われる通り、国家の安全保障上の観点からも世界中に投資をおこない、国民の年金、税金などを最大限に運用しており、国民からも高い評価を受けています。シンガポールの若者に70%は未来に希望が有るなどという統計が有ります。(シンガポールの新聞が1月に発表していました。ブログでも紹介しました。)与党の選挙対策という見方も有りますが、実際にシンガポールの人たちは大変幸せそうです。
ところが、ここに来て、今回の選挙は、住宅問題で与野党間で住宅問題でかなり議論が白熱しています。
野党の労働党(WP)の党首がマニュフェストとして、HDB(Housing Development Board の略で、政府系住宅開発開発公社。シンガポールの分譲住宅のうち85%を占める。)の住宅価格を下げる為に、政府の土地払い下げ価格の引き下げや、コストベースの価格設定、中間所得層の所得水準にリンクした販売価格システムの提案が盛り込まれています。
これに対し、与党であり国家開発相であるMah Bow Tan氏がTVの取材に答える形で反論。HDBは民間の開発分譲物件に比べ安く、シンガポールの第一次取得層に対する資産形成にも十分機能を果たして来た。現在も中間所得層が購入できる水準に有るし、土地価格を意図的に下げるのは国家に対する背任行為であるとともに、国民の資産形成上もマイナスの影響が大きい。供給を増やすことにより、投機的な価格上昇を抑えることも可能であるとして、真っ向から反論しています。
シンガポールの不動産価格は、2000年代の前半はほぼ横ばいで推移しており、香港の7割程度で推移してきましたが、ここに来て香港も2009年から急騰。2000年後半から移民政策を緩めたことによる人口増やカジノ建設などのインフラマネー等も入り、不動産価格は急騰。香港の9割近くまで上昇しています。ここにきて、総選挙が盛り上がっているのは、昨年GDP成長率14.5%で絶好調の経済で、国民に特別税金還付(財政健全な国はうらやましい!)なども発表されているように、特に政府に不満がないと思われ、いつもの無風選挙と思われたところに、この住宅問題が浮上したのです。
唯一住宅高騰は、もたざる労働者、庶民には不満の材料であり、この問題をキャンペーンにはった労働党は勢いを得ている様子で、Mah氏の発言を巡って世論は久々に政治に関心を示しているようです。
とはいえ、シンガポールでは与党以外で政治活動を行おうとする人がほとんどいないため、今回も選挙区によっては無投票で、与党PAPからの候補者が定員数の全員当選するという選挙区も出ています。リー・クワン・ユーさんも14回目の当選が決まったようです。
政治が混迷する日本では、考えられない、おもな争点が『公社の販売する住宅価格問題で、選挙が建国以来盛り上がる』という、ある意味うらやましい国です。
ちなみに、HDBの住宅はシンガポール国籍を有するか、PR(永住権)をもっている人しか買えません。一声、民間の分譲住宅の半分の価格です。(立地が同じであれば)
下の写真は、今私がテンポラリーに住んでいる民間分譲マンションに隣接するHDBの中では新しく、かつ非常に人気の高い物件です。
立地は、シンガポールの西部のDoverエリアで、周りは名門学校(Anglo Chinse Schoolやリークワンユーが創設したUWC Dover校、シンガポール国立大学)がある文教地区です。価格的には、HDBはS$500/sqf(㎡単価35万円前後)で、今私が仮住まいしている物件Heritage View(民間分譲物件。右下)だと単価的にはこの倍(S$1000/sqf)くらいです。写真で一見するとDover Garden(HDB)のほうが明るくて良さそうに見えます。(かなりイメージの良いHDBです)
実際には、Dover Garden(左下)は築1年、Heritage Viewは築10年以上です。尚、一般的には、HDBはプールやジムなどの施設はありません。

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HK sellers cut prices amid crisis in Japan
香港の売り主は日本の危機で値段を下げた
日本の今回の震災の影響が、香港地場の不動産価格に影響を与え始めたという記事です。香港は、著書『チャイナマネーを追え』でも書きましたが、リーマンショック以降、香港ドルが米ドルにペッグしていることから低金利と中国大陸からの資金流入によりバブルが発生し、2009年から高騰が続いてきましたが、ここにきていよいよ調整が始まった感があります。
ある意味、日本の震災は、世界経済の行方に不透明感を与え、世界的にエネルギー、建設資材、食料の等の価格があがるインフレが金利上昇を促すとの見方や、米国の金融緩和政策も終わるとの見方も香港不動産価格動向に価格修正のきっかけとなったようです。
2009年から、ほぼ3年にわたり続いた価格上昇も一服し、利益確定売りが出始めているようです。ただし、まだ一部の売り主が価格を下げたということで、まだまだ強気の売り主がいるため、大幅な価格調整にはならないという見方もあります。中国での不動産投資規制から、まだまだ香港に流れるという見方もあるので、今回の動きは一時的かもしれません。
台湾では、政府が不動産価格を抑制するため売上課税を強化するという記事が出ています。
Sale Tax may end Taiwan’s rally
売上税導入が台湾の不動産価格上昇に歯止めをかけるかもしれない
台湾政府は、連続7年間の価格上昇によりピークを記録していた不動産価格のこれ以上の上昇を押さえ込むため、今月、1年以内の住宅売却に関して売却価格の15%、2年以内には10%を課す内容を提案しました。
これにより、本年は横ばいか場所によっては、5%程度の下落を記録する所も出てくるという見通しです。
この売上税は、シンガポールで昨年末導入された印紙税増税と全く同じ施策です。(期間、税率までまったく同じです)
香港同様、低金利でバブルが続いていた台湾ですが、中国、香港、シンガポールと同様不動産価格抑制策により、ようやく価格上昇傾向に終止符が打たれそうです。
また、一方イギリスでは、むしろ売値が上がっているという記事です。
British home sellers raise prices again on shortage of properties
英国の住宅の売り手は、供給不足の中価格を再び上げている
以前のこのブログでも、イギリス特にロンドンの不動産は今年はまさに買い時で、価格は次第に上昇基調に入ると申し上げているように、今年に入り3ヶ月連続で中古価格が上昇を記録しています。
やはり恒常的な住宅の需給ギャップが有るイギリスでは、銀行の貸し出し姿勢が積極的になりつつ有ることから、昨年第2四半期に、財政再建による景気悪化が懸念され、不動産価格が下落に向かいましたが、どうやらこの調整も一時的に終わりそうです。
やはり、恒常的な住宅不足と、歴史的な低金利が続いている英国では、財政再建が進むにつれ、不動産への関心が高まることは必然です。
近年、新興国に向かっていた、マネーがそろそろユーロやポンドに向かい始めると思いますが、皆さんどう思われますか?
私は、昨年の後半からポンド、ユーロ、ドルの割合を増やし始めました。円高の今、日本人の皆様は是非、ご検討ください。
私は、現在は既に円はほとんど持っていませんので、皆様がうらやましい限りです。
成田日航ホテルです。
明日から、ロンドン、スペイン不動産視察ツアーが始まりますので、上海から先ほど成田に入りました。
さて、今日も中国の不動産規制の影響についてです。
いよいよ上海と北京においては、現在2戸以上保有する世帯は、今後新規で住宅を購入できなくなりました。この影響は、特に富裕層が転売目的で保有している高額物件の将来の出口に影響を与えそうです。
上海の市中心の高級不動産(おおむね平米単価で6万元以上の高額物件をさす)は、富裕層が将来の値上がりを期待して、複数の物件を保有しているケースがありますが、これらの実需ではない投資(投機というほうが正しいかもしれませんが)目的で保有する物件はいよいよ出口がなくなることにより、値下がりが必至です。2002年から分譲開始された新天地の翠湖天地などは、当初分譲時は平米単価1.2万元程度だったものが、2009年のピーク時には10万元で取引されていました。
これは、上海の中心部では開発余地が限られており、立ち退き補償金額も上がっていることから開発が進まず希少性があることから、利便性が高く、デベロッパーに定評のあるプロジェクトは高値で取引されて来たのです。ここに来て、このような市内高級物件の動きが非常に鈍ってきました。
今年に入り、高額物件の中古価格は潜在的には20%から30%近く下がっているかもしれません。取引は激減しています。
将来的に値上がりするのであれば、キャッシュリッチな富裕層は投資対象が限られている中国で、預金でおいておくよりも当然期待収益の高い資産にシフトする訳です。今回の規制で、このような先高感が後退した高額不動産から他の資産にシフトすることは必至です。
現在キャッシュを保有している上海の投資家は、とりあえず株式にシフトすると言う見方も出てきました。また、まだこのような規制がでていない地方の不動産または、海外の不動産にシフトするという見方も出ています。
また、昨日のニュースで、上海の個人投資家に海外投資を解禁するという情報も報道されました。先月、同様の内容で温州市で解禁されるとの発表が有ったばかりですが、上海でも検討されているようです。やはり政府の関心は、国内の資産バブルつぶしと、人民元の海外へのシフト(外貨交換の促進)です。
いよいよチャイナマネーが海外に出るという環境が整ってきたわけです。
さて、明日から1週間ヨーロッパ(イギリス・スペイン)です。3月5日(土)のセミナーでは、最新情報をお伝えします。乞うご期待。
