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2月 21
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2月21日付けのシンガポールの経済紙Business Timesによると、カナダでランドバンキングをおこなうEdgeworth Property社が投資家、債権者から訴追を受けていると報じられました。

わずか約1年半前にも、Profitable Plotsというカナダのランドバンキングで同様の事件が起きて、1500名のシンガポール投資家が巻き込まれたにも関わらず、再びランドバンキングでトラブルが発生したことに関係者は衝撃を受けているようです。

同社が関わり、集めたと言われる投資金額はC$70Mil(約56億円)で、今回は主にアジアの投資家4000人が巻き込まれた模様です。4000人のうち、シンガポール人は約半数の2000人近くに登ると見られており、その他には、タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンなどの投資家が含まれています。

同社は、カナダのアルバータ州の12の地域の土地に対し、2007年から2011年の間に投資家から現金を預かり、用途変更などの手続きを経て、土地を住宅開発業者に売却することで投資収益を配当するいわゆるランドバンキングビジネスを展開してきました。投資家には5年を目処に投資金額の60%から100%の投資収益を還元するという目論みで、投資金を集めていたようですが、2011年の半ばに資金繰りに問題が出て、現在、同社はカナダの再生機構の管理下で、事業のリストラクチャリングに入っており、シンガポール現地法人や同社の子会社(マレーシア、フィリピン)は閉鎖されています。

調査によると、対象の12地区の物件に関して、投資家名義で所有権が保全されている物は3物件のみで、かついくつかの土地については複数の金融会社から抵当権が設定され、抵当権設定者からも請求を受けているため、投資家への投資金の分配には権利関係の整理のため、時間がかかる模様です。

昨今、日本でもこのランドバンキングという商品は、円高の追い風を受け、また小口(一口100万円程度から)で投資できるという手軽さも受けて、カナダやカリフォルニアの住宅開発用地への小口投資として注目を集めています。今回のこのような事件が、起きたからという訳ではないですが、あまりに手軽にできるからといって、安易に投資に走ることは気をつけるべきです。日本で販売されているランドバンキングの開発業者が、シンガポールで問題になっているような業者と一緒にするつもりは全くありませんが、ひとたび資金を送ってしまうと、その資金がちゃんと不動産の購入に充てられているのか、きちんとタイトル(名義)が登記されているのか、投資対象に担保を設定して、借り入れを起こす場合に投資家の許可が得られているのか?(通常は抵当権の設定はできないはず)確認する必要があります。

たとえ、小口でも、丁寧に答えてくれる開発業者(あるいは提携Agent)かどうか見極めることが大事です。宅建業法や、金融商品取引業法にもかからないことから、説明が十分しないで販売する販売エージェントもいるという噂も聞きます。

ランドバンキングは、いわば未上場株ファンドに投資するようなものです。やはり、上場する(用途変更ができ、デベロッパーに売却できるという意味)力のある業者に負う部分が大きいので、しっかりとした実績のある会社を選定する必要があります。また、物件は必ず実際に見るべきでしょう。(小口商品なので、多額の旅行費用までかけて見に行く人が少ないのが問題という意見もあります)

私も以前、ランドバンキングに投資しようかと考えて、カナダのトロントまで視察に行ったことがあります。案件は市場に良さそうでしたし、開発業者の本社まで行き、プレゼンテーションを聞き、信頼性は感じましたが、自分の投資スタイルではないと考え投資には至りませんでした。

個人的には個別不動産に投資する方が、自分の裁量で出口が決められる分、流動性が確保されていると思います。

5年間で100%というと、デフレ、低金利時代の現状、年率20%と一般の方は驚きますが、冷静に判断すると、出口(時間)が保証されている訳ではなく、ランドバンキング会社の倒産リスクを負っている訳ですから、リスクの割にはどうなんだろうと考えます。

*Commercial Affair Department(CADと略す。シンガポール警察傘下にある商業犯罪、金融詐欺事件などを扱う部門)

12月 12
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先日のブログでもお伝えしましたが、先週水曜日に発表されたABSD( Additional Buyer’s Stamp Duty)は、その後、連日のように新聞紙上を賑わせています

この発表翌日、不動産株は軒並み急落、CDLなどの高級物件を扱うデベロッパーなどは、一時13%の下落を記録しました。

本日のThe Business Times のTop Staries の3面では、今週末の高額物件を扱うデベロッパーの販売センターには早速反応が出ており、来客数は激減しているが、すでに購入予約をしている顧客には、キャンセルは一切出ていないという報道もあり、ある程度冷静に判断しているようです。

そんな中、高級物件をあつかう大手三社 Far East Organization, Wing Tai, CDL 各社は購入者を呼込む為の負担軽減パッケージを提供する計画があることを報じています。Far East Organizationは、購入者を呼込むために、物件価格の5%相当分の負担軽減パッケージを提供することを発表しました。(3%は返金。2%相当分の家具バウチャー)他の2社も物件を選択して、実施する見込みであると報じています。

また、ブティク開発業者であるOxley Holdings社は、ABSDを避ける投資家の為に、今後6ヶ月以内に商業またはSOHOの小型の区分所有物件を市場に提供して行くことを検討していると発表しています。

日本では、住宅以外ではあまり区分所有物件は流動性がありませんが、香港、シンガポール、上海など海外では投資商品として十分流動性を持っていますので、今後このような新規の商品や中古物件が市場で注目を集める可能性があります。

さて、この世界中で景気後退、雇用不安が懸念されるこのタイミングで外国人向けにこのような政策を打つことの意義は何なのでしょうか?

このタイミングで政府がこの政策を仕掛けたのは、やはり世界経済の不透明感の中、シンガポールに資金が流れ込んでおり、その金が特に投機的に高級住宅に流れ込むことを事前に防止することを狙ったものと見られています。

そもそも小さなマーケットであるシンガポールの高級不動産市場(総戸数のの15−17%程度しか占めない)に世界中からリスク回避マネーが入れば、物件価格のボラティリティーが大きくなることを恐れ、中長期的な視野に立った施策であるという見方です。

香港は今年も昨年に続き全世界で価格上昇率トップとなりました。(英コンサルタントのナイトフランク調査)が、ある意味、香港との差別化を狙っているとも言えるかもしれません。

ところが、国内には、どちらかというと批判的な声が多いようです。

まず主流なのは、富裕層と優秀な人材を呼込んできたことによりシンガポールの発展があったはずなのに、このような保護主義でかつ差別的な政策をとることはシンガポールの存続意義が問われるという中長期的な視点での批判です。

また、来年はGDP成長率が3%に落ち込むと予想されている中、主要産業の一つでもある不動産業に打撃を与えることは、国内経済に深刻な影響を与えるという短期的な視点での批判もあります。

とにかく、2015年にかけて、全般的に住宅の供給戸数も増加見込みであることから、市場には短期的にはしばらく価格が高騰する見込みがなかったところに、なぜ今このタイミングなのかという疑問が主流です。

個人的には、シンガポールの不動産は、リスク回避資産として、中長期では非常に有望であると考えていますので、確かに価格の10%の印紙税は大きな負担ですが、このご時世では、それでもシンガポールの不動産の購入意欲をもつ海外富裕層はいるのではないかと考えます。子弟の留学も目的や、資産管理会社を設立して運用するニーズなど、この程度の税金で富裕層のニーズに大きな変化があるとは思えません。

中国のように、人民元の為替操作により自ら生み出した過剰流動性により、不動産バブルを引き起こしたのに、海外からのホットマネーが原因だとして、2006年にいきなり外国人の不動産投資を禁じた(1年以上居住した人の自己使用目的の取得は認めた)のと比べると全面的に取得を禁じている訳ではないのです。

確かに価格の10%という印紙税は重い課税ですが、短期の投機目的でなく、長期投資で入ってきてくださいという意味ですから、それだけ自国の不動産の魅力を理解していて安売りをしない余裕の姿勢とも言えます。

さて、この政策の影響が今後の短期的なマネーの流れにどう影響を与えるか、投資家の立場としては、気になるところです。

むしろ長期的な視野で見れば、これからはシンガポールの住宅は仕込みのチャンスではないか?

それともABSDの適用外である住宅以外の他用途(オフィス、リテール、インダストリアル)の物件に向かうのか?

それとも他の海外不動産に向かうのか?

本日から日本からシンガポールの住宅を購入を目的に視察に来る投資家がいます。目的は当面は資産運用ですが、将来は自己使用です。

まさに先週のこの発表は寝耳に水でした。

この投資家がこのタイミングでどういう判断を下すのか、楽しみです。日本人にとっては、この円高を考えれば10%程度の負担増も長期投資で吸収可能だと考えても不思議ではないのです。むしろ、今まで強気だった売り手に対して価格や条件交渉ができるタイミングあることを考えると狙い目だと判断するかもしれません。

引き続きシンガポールのマーケットは注目です。

 

12月 08
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昨晩、サプライズなニュースがマーケットを駆け巡りました。

本日12月8日から、新規購入者に追加印紙税を物件価格に10%を課税するというものです。

早くも略称の好きなシンガポールでは、この税金をABSD( Additional Buyer’s Stamp Duty) と呼んで、今朝の新聞紙上トップを賑わせています。

シンガポール不動産は、私のブログでも何度も紹介していますが、リーマンショックからの立ち直りが早く、昨年はGDP成長率14.5%を上回り平均で20%を超える上昇を記録しました。政府はあまりにも急激な価格上昇を警戒し、今年始めに短期譲渡に関するStamp Dutyを1年以内16%、2年12%、3年8%、4年4%、5年以降は通常の3%といる短期重課を実行してきており、今年の春からマーケットは取引量も昨年比4割程度減少しており、価格もほぼフラットな状態が続いていたところであり、このタイミングでの発表は少なからずサプライズでした。

具体的には以下のような新規購入者に適用されます。

①外国人購入者には、通常の印紙税(SGD24,600)に加え、10%のABSDが課税 ($100万以上の物件の場合は、SGD124,600)

②PR(永住権保有者)の2件目の住宅に対し、通常の印紙税(SGD24,600)に加え、3%のABSDが課税($100万以上の物件の場合は、SGD54,600)

③シンガポール人の3件目の住宅に関しては、通常の印紙税(SGD24,600)に加え、3%のABSDが課税($100万以上の物件の場合は、SGD54,600)

要するに海外の富裕層や法人が購入する高級不動産を狙い撃ちにしています。

政府の要人のコメントによると、近年海外からのプレイベート住宅(HDBというシンガポール国民しか買えない公共住宅を除く高級物件をさす)投資が急増している。2009年の上半期は外国人シェアが7%であったのが、2011年の下半期には19%に上るとしている。

確かに昨今シンガポール不動産を購入する中国人が外国人の中で26%を占めるというデーターが出ており、ここ1−2年のチャイナマネーがシンガポールマーケットを押し上げているのは確実です。10月の第三週にもマレーシア、シンガポール不動産視察ツアーの日本からの不動産関係者のツアーをアテンドしましたが、その際URA(都市再開発局)のシンガポールの都市計画展示館に中国人の投資家のバスが我々のバスと並んでいました。当方のバスより大型で2階建てでしたので、日本の参加者は、ジャパンマネーはチャイナマネーに負けてるねと苦笑いしていいたのが印象的でした。

今後のマーケットは、確実に影響を受けるでしょう。早くもマーケット関係者は来年はシンガポール不動産は取引量、価格とも2割程度調整するとの見方がでてきました。

一方、高級物件をあつかうデベロッパーは、印紙税を負担したり、家具や金利負担プログラムなど購入者に魅力的なプロモーションをしてくることは間違いありません。

このタイミングで政府がこの政策を仕掛けたのは、やはり世界経済の不透明感の中、シンガポールに資金が流れ込んでおり、その金が不動産に流れ込むことを事前に防止することを狙った物でしょう。そもそも小さなマーケットであるシンガポールの高級不動産市場(全体の17%)に世界中からリスク回避マネーが入れば、物件価格の変動幅も大きくなることを恐れているのです。

香港は今年も昨年に続き全世界で価格上昇率トップとなりました。(英コンサルタントのナイトフランク発表)が、ある意味、香港との差別化を狙っているとも言えるかもしれません。

この政策の影響が今後のマネーの流れにどう影響を与えるか、注目です。

むしろこれからシンガポールは買いなのか、それとも当面シンガポールに向かっていた金は周辺国に向かうのか?

あるいは、短期的には住宅からオフィスに流れるのか?

しばらくシンガポールのマーケットは注目です。