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5月 21
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前回は、マンハッタンの有名案件トランプタワーをご紹介しましたが、さすがに坪単価900万で、総額2億5000万円、ネット利回り1−2%は、投資対象としてどうなの?という疑問が湧きます。

今回は、物件価格1億円以内で、マンハッタンミッドタウンの好立地物件の視察報告です。

1件目は、あのタイムズスクエアから徒歩5分、ミュージカルのタイトルでおなじみ42nd Street(8Avenueと9Avenueの間)にあるOrion という物件です。

総戸数551戸、60階建てですが、今回の売り物件はOne Bed Room(667 sqf=61㎡)で、2005年完成物件の中古案件ですが、テナントが付いており月額賃料はUSD3300 で売却希望価格は$950,000 です。(Gross Yieldが、4.2%)

プールやジム、ラウンジなどが豪華で、共益費がUSD667 で、固定資産税は、現在月USD395 ですので、ネットの利回りは2.8%程度になります。

さすがにマンハッタンの高級コンドは賃料は高い一方、共用施設が充実している分、共益費が高く、投資家にとっては、ネットの収益の圧迫要因となります。また、マンハッタンでは新築物件は、固定資産税が引き渡しから10年は優遇されて、2年毎20%づつ上昇して行き、10年後からフルのReal Estate Taxがかかります。(Tax Abatementといいます。)したがって、新築築浅の物件の方が、ネットの利回りが上がることになります。ブルックリンやクイーンズの物件は、このTax Abatement が、15年とかマンハッタンより長く、またグロス利回りも5%以上期待できるので、ネットの利回りを考えると、マンハッタンより高くなります。

立地的には、タイムズスクエア近くの42丁目というミッドタウンですので,賃貸需要が強く、空室リスクは極めて低く、安定した賃貸収益が期待でき、将来のキャピタルゲインも安定的に期待できる物件です。テナントは日本の金融機関にお務めの単身駐在員です。プライバシーの問題と、お部屋がお世辞にも整頓されていなかったので、写真撮影は控えました。尚、こちらでは、基本的に家具は付けずに貸し出すのが普通です。(ちなみにこの部屋はIKEAの家具と結構旧式のテレビが入っていました。テナントの持ち込みです。

Orion 外観

Orion 外観



 

Orionからの眺め(遠くに自由の女神が見える)

Orionからの眺め(遠くに自由の女神が見える)



次に、見学したのはWorldwide Plazaというやはりミッドタウンウエスト(50St, 8&9 Avenue)に位置する1988年竣工の築25年の物件です。

総戸数654戸、39階建ての建物ですが、オフィス棟とツインタワーになっています。

ミッドタウンという一流企業が集積している場所に近接していることから、築年は25年ですが、テナント需要は強いようです。見学した物件は、41㎡のワンルームタイプでキッチン周りはリノベーション済でした。価格的にはUSD550,000 (希望価格で交渉可)で、賃料はUSD2200程度ですが、築年10年を超えると,前述のようにTax Abatementがなくなるので、前述の築浅で、ユニットが大きなOrianよりも固定資産税が$537と高くなり、ネットの利回りも2.5%程度となってしまいます。

さすが、マンハッタンの高級コンドの利回りはそんなものかと思われるでしょうが、やはりシンガポールや香港などと同様、キャピタルゲインが狙えて、流動性が高い市場では、総じて利回りはこんなものです。

後の報告で、銀行ローンについてもコメントしますが、リーマンショック以降、米ドルも0金利政策を取っており、空前の低金利です。LTVも投資用は最大55%ですが、アメリカの場合はノンリコースで、年齢に関係なく最長30年のローンが引けますので、ローンを利用できる方は、それなりの利回りでもキャピタルゲインが狙えるのであれば、このレベルの利回りでも空室率が低く、流動性があるので、投資妙味があると判断すると思います。

また、米ドルは今後経済回復とシェールガス革命によりエネルギー自給国になることが確実ですから長期的に米ドル高となると予想すると円資産からシフトしておく最後のチャンスとして考えれば、ロンドンと並ぶ世界一の流動性を誇るニューヨークマンハッタンの物件を米ドルの安全資産としてポートフォリオに組み入れるのはある程度の資産規模をもつ方には有力なアセットアロケーションとなります。

Worldwide Plaza外観

Worldwide Plaza外観



 

ところで、ニューヨークのアッパーウエストサイドのコンドミニアムを視察していたら、共用部のファシリティーが非常に充実していた物件がありました。私も海外の住宅に付設するいろんなクラブハウス施設をみてきましたが、ボーリング場と本格的なロッククライミングが物件の地下についているのをみるのは初めてです。これ以外の施設は、スポーツジム、スイミングプールは当然ですが、スカッシュコート、バスケットのフルコート(さすがアメリカ)ゴルフシュミレーターがありました。400ユニットの比較的規模の大きなコンドミニアムですが、視察の充実ぶりにニューヨークの高級コンドのスケール感をみる思いでした。

ボーリングレーン

ボーリングレーン



ロッククライミングウオール

ロッククライミングウオール



ゴルフシュミレーター

ゴルフシュミレーター

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