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3月 25
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3月11日の震災発生から2週間経ちました。

今回の東北関東大震災について、海外での報道の扱いも凄まじいものがありました。

シンガポールのStrait Timesなどは、3月11日の発生からほぼ1週間以上、連日のように震災特集で1面から4面まで特集が組まれているのです。

被害の惨状や原発の速報など、ほぼ日本での報道と変わらぬボリュームと速報性です。シンガポールから日本に駐在している駐在員家庭や留学生の安否や避難のための情報は、同国にとっても重要性の高いニュースであることは当然ではあります。

また、耐震性に関して日本の建築技術の高さや、日本人の災害時の対応(おちついてパニックを起こさない気質)などに関する記事も多く、地震発生から3時間以内に日本の暴力団が被災地に救援物資をトラックで届けたと記事もあり、様々な関心を呼んでいます。

先週から今週はじめまでシンガポール、マレーシアに出張していましたが、やはり至る所で、お悔やみの言葉や日本人の気質に関して賞賛の声をいただきました。

『日本人はどうしてあのような災害の中で落ち着いて、パニックを起こさず、少ない食事を分け与えながら冷静でいられるのか?今もおしんのような精神が生きているのか?』という質問を至る所でされたのです。

私は、正直なんとも複雑な気持ちでした。今回の被災地は東北であり、ある意味日本では最も辛抱強く、気丈な気質をもった方々が被災されたという事実を知っているからです。私自身、小学校3年間は仙台で暮らしていますし、そもそも母親や母親の実家は、秋田や青森であり、今でも親戚は宮城や、福島在住で今回被災してますが、東北地方の人々の気質は知っています。

ある意味、今回被災された東北の方々は、古き良き時代の日本の気質を今なお、持ち続けている方々だと思っています。

東北と言えば、ようやく青森新幹線が先日開通しましたが、戦後日本の復興、発展のなかで常に割を食って来た地域です。高度成長期には、東京や大阪に、集団就職による若い労働力を提供。冬には、出稼ぎの建設労働力を供給していきましたが、これといった有力な政治家が少なかったため、新幹線などの整備は、常に後塵を廃する地域でした。そんなことにもじっと耐え忍んでいた東北地方、地震や津波も何度も経験してその度に復興して来た地域だったのです。今回は、その中でも想像を超える規模だったのですが、それでも彼らは不屈の精神力で立ち向かっています。

同じことが、首都圏や他の地域で起きたら、とてもこうは行かないと思います。

地震発生直後から、デマがあふれ、東京のコンビやスーパーから、物がなくなった現実は、中国でおきた塩の買い占め騒動と何ら変わらないのではないでしょうか?

中国国内では、今回の日本での震災直後、塩がなくなるという風説が流布し、塩の買い占め事件が起き暴動に近い事件まで起きたことは、日本でも知られているかもしれません。

この件に関して、中国国内では、日本の震災の被災者との比較において、『中国人は恥を知れ、日本を見習え』という報道や、ネットの書き込みが相次いだのですが、私は正確には、『東北地方の被災民を見習え』なのではないかと思います。

今回、東北で起きた震災は、海外では日本人への尊敬と賞賛に溢れていますが、東北地方の方々のおかげで、そのようなイメージになっていると思っているのは私だけでしょうか?

真の意味で、尊敬される日本人であるため、海外にいる我々もできることからしたいと思います。少なくとも、こういうメッセージを送り続けることから。

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